AIの発展が進む中で、これからの子どもたちに必要な力は「創造性」や「クリエイティブな思考」です。
私達親にはAIの発展がさらに進んだ未来に子ども達を社会に送り出す責任があります。技術革新のスピードが早く、社会構造の変化、価値観の多様性が尊重される様子を肌で感じてきました。
今後もめぐるましい時代の変化がさらに加速すると考えられます。インターネットやスマートフォン、ゲーム、SNS、キャッシュレス決済、VR、3Dプリンター、サブスクサービス、Amazonなどのネット通販の隆盛、AIなどなど暮らしの変化の速さは誰もが体感しているのではないでしょうか。
AIができる仕事はAIに任せ、人間は人間だからこそできる仕事での活躍が期待される時代は間違いなく訪れます。
しかし、現在の小中学校での「美術」や「図画工作」の授業は、あるいは授業のカリキュラムは、この「創造性」や「クリエイティブな思考」を求めるニーズに十分に応えられているのでしょうか?親としての視点から、「美術教育」の在り方を考え、未来に求められる「アート思考」とのつながりについて探ってみます。
1. 現在の美術教育の現状と課題
現在の小中学校における「美術」や「図画工作」の授業は、絵を描いたり物を作ったりすることを中心に構成されています。
具体的には以下のような内容が主流です:
• 小学校の図画工作
・色や形を使った表現を学ぶ
・身近な素材を使った立体作品の制作
• 中学校の美術
・デッサンや色彩理論の基礎
・既存の美術作品についての鑑賞や分析
これらの内容は「技術的なスキル」や「既存の美を理解する」ことに重点を置いており、必ずしも「創造性」や「問題解決力」を伸ばす教育には直結していないと感じられることがあります。
課題として考えられる点:
• 「美術」や「図画工作」の名前による先入観
「美術」は美しいもの、「図画工作」は絵やモノを作ることに限定されているという印象を持ちやすい。
• 評価基準が技術に偏りがち
子どもの自由な発想よりも「上手に描けているか」「完成度が高いか」が評価される傾向がある。
2. 「アート思考」の必要性と可能性
「アート思考(Art Thinking)」は、芸術的な発想や視点を活用して、未知の問題に向き合う思考法を指します。この考え方は、企業のイノベーションや社会問題の解決においても注目されており、以下のような特徴があります:
• 問いを立てる力
「なぜこうなるのか?」「本当にこれで良いのか?」といった根本的な問いを探る力を育てる。
• 既成概念にとらわれない発想
異なる視点や要素を組み合わせ、新しい価値を生み出す柔軟な思考。
• 創造と共感のバランス
単なるアイデアではなく、人の心に響く形で具現化する力。
「アート思考」を学ぶことのメリット:
• 子どもたちの未来を切り開く力になる
AIが得意とするのは効率的な処理や既存の知識の応用ですが、真のイノベーションは「今までになかった視点」から生まれるものです。
• ビジネスとの親和性が高い
現在、多くの企業がアート思考を取り入れ、イノベーションや新しい製品・サービスの開発に役立てています。
3. 学校教育の変革:新しい「創造」のカリキュラムを
未来に向けた教育改革のアイデア:
• 教科名を「創造」「クリエイティブ」へ変更
「美術」や「図画工作」ではなく、「創造」や「クリエイティブ」といった名前にすることで、子どもたちに「自由に考え、発想する場」であることを示す。
• 評価基準の見直し
完成度ではなく、「どんなプロセスで考え、試行錯誤したか」を重視する。
• 他教科との連携
科学や社会とつなげた課題解決型の学び(例:環境問題をテーマにした創造活動)を取り入れる。
4. 企業で注目される「アート思考」と子どもの未来
近年、多くの企業がアート思考を取り入れています。例えば、デザイン思考の延長として、新しい価値を生み出すための手法として注目されています。
• 企業の事例
・AppleやGoogleでは、製品開発においてアート思考を活用し、従来の技術と斬新なデザインを融合させています。
・イノベーションを起こす企業文化の中核に「創造性」を据えています。
こうした動きは、子どもたちが将来働く社会でもますます重要になるでしょう。
親としては、AI時代において子どもたちが「自分の頭で考え、未知の未来に挑む力」を育むために、日々の生活や教育をどうサポートするかが問われます。
結論:子どもたちに創造の翼を
「美術」から「アート思考」へ。教科の名前やカリキュラムを変えるだけでなく、親や教師が「創造とは自由で楽しいものだ」というメッセージを伝えることが重要です。AI時代において、子どもたちの「発想力」「共感力」「創造力」を育むことは、単なる教育の課題ではなく、社会全体の未来を作るプロジェクトでもあります。
子どもたちが自由に発想し、そのアイデアを社会の中で形にしていく。その過程を見守り、応援することが、親としての最も大切な役割なのかもしれません。
未来の社会を想像しながら、私たち自身も創造の楽しさを忘れないようにしたいですね。